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AI プレート量産技術の現状と今後の方向性について

当社は、平成26 年4月期決算説明資料に記載しましたとおり、平成27 年4月期において当社の技術であります空中結像を可能にするプレート(以下、AI プレートといいます)の量産体制の確立を目標に進めてまいりました。平成27 年4月期末に近づきましたので、AI プレート量産技術の現状と今後の方向性につきまして、お知らせいたします。

1.これまでの量産技術確立にむけた動きについて
当事業のビジネスモデルにつきましては、当社でAI プレートを製造(ファブレスにて委託製造)、販売することを基本方針としております。基本技術はすでに確立しており、すでにAI プレートの試作品を販売しておりますが、量産につきましては、一昨年10 月に出展しました展示会CEATEC 以降、ようやく協力いただける複数の会社と量産技術の本格的な研究が可能な体制となりました。

2.量産技術の種類について
AI プレートの量産につきましては、ガラス素材による量産と樹脂素材による量産に大きく分けられ、それぞれ複数の協力会社と取り組んでおります。
ガラス素材プレートは、コストおよび量産性が相対的に劣るものの、結像品質は相対的に優れており、逆に樹脂素材プレートは、コストおよび量産性が相対的に優れており、結像品質は相対的に劣るものと推察しております。
従いまして、両素材に一長一短がありますことから、並行して量産技術の確立に挑んでおります。

3.量産の段階について
量産には規模などで様々な段階が考えられますが、当社が想定している第一段階の量産は、リスク等を考慮し、現有の設備やラインを最大限に活用することを前提としており、いきなり大規模な量産を指向しておりません。技術的に複数の生産方法が存在しており、もっとも優れた方法が明確になった時点で、専用ラインの立ち上げなどにより多量の量産が可能な体制を段階的に構築する方針です。

4.量産技術の現状と今後の方向性ついて
AI プレートは特殊な構造をしていることから、既存の技術をそのまま活用することはできず、実際トライを開始するとさまざまな技術課題が発生し、それを一つ一つ解決しながら進めてまいりました。
まず、ガラス素材のプレートですが、複数の製造方法がある中で、量産技術がほぼ確立したものもあり、現在β版の製作に取り掛かっております。順調にいきますと、今年の夏から秋にかけて量産が開始できる見込みです。
つぎに、樹脂素材のプレートですが、試作品の製造手法とは全く異なる新しい方法にトライしております。この手法は多量かつ低コストの生産が可能と考えておりますが、生産技術のみならず素材から開発しており、ハードルも高い手法です。技術課題の解決に想定より多くの時間を要しており、現時点において完全に技術課題が解決したとは言えません。ただ、解決の目処は立っており、解決次第、α版の開発に取り掛かりますが、現状では、結像品質や生産コストなどの確認は完全にはできておりません。このような状況ですので、量産に向けての正確なスケジュールを示すことは困難ですが、当初より量産を前提に進めており、今年の秋から冬にかけての量産開始を目標にしております。

5.エアリアルイメージング事業の展開について
AI プレートは素材であるため、AI プレート供給先にAI プレートを活用した商品化をしていただく流れになります。従いまして、量産製品の提案から、実際の商品化までは一定の時間を要する可能性があります。来期におきましては、試作品提供先に対する量産製品情報の提供および提案に注力しつつ、それほど時間を要しないであろう小ロット案件を中心に確実に実績を積み重ね、大きなロットの案件につなげてまいりたいと考えております。