お客様インタビュー
先端技術の体験から社会の課題を考える
-TEPIA先端技術館のASKA3D導入事例-
- ASKA3Dのメイン用途
- 体験型展示施設のサイネージ・操作盤として利用
- インタビューさせていただいた方
- TEPIA先端技術館スタッフ(写真左)
一般財団法人高度技術社会推進協会 TEPIA事業部チーフスタッフ 中屋舞子さま(写真右)
ASKA3D導入検討のきっかけ・課題
社会の課題解決に関する先端技術の展示を検討していた
ニューノーマル社会・非接触の分野で活用できる技術を探していた
体験して楽しみ、考えるきっかけになる展示を重要視している
2024年9月19日
TEPIA先端技術館について教えてください
TEPIA先端技術館は一般財団法人高度技術社会推進協会の運営する体験型の展示施設です。
TEPIAという名前は、TechnologyとUtopiaを組み合わせた造語です。
私達は来館される方に日本社会の抱える課題を認識していただき、身の回りの課題を解決するため「今こういう技術が開発されている」ということを知っていただく活動を行っております。
一般の方は勿論のこと、日本の未来を担う若い世代の方々にお越しいただき、自分事として展示を見ていただいたり、社会課題について考えていただく。
ゆくゆくはイノベーターになっていただきたいという思いを込めて、先端技術に関する展示を行っています。
その他にも2階では、3Dプリンタやレーザーカッター、工具などを取り揃えた「クリエイティブラボ」があり、ものづくりに興味を持ってもらうきっかけとなる講座・体験コーナーを運営しています。
集客面では、修学旅行の誘致に力を入れています。修学旅行中の行程として組み込んでいただき、TEPIA先端技術館スタッフの展示説明のもと約1時間30分、見学と体験をしていただきます。
中学校が一番多いのですが、小学校や高校、企業や自治体等の団体のお客様もいらっしゃいます。
どの年代の方にも楽しんで学んでいただける展示を心がけています。
またアウトリーチ活動として地方でのプログラミングイベントも行っています。
直近では出雲市(島根県)、防府市(山口県)、直方市(福岡県)が無事に終了し、富士市(静岡県)等でのイベントが決まっています。 色々な場所で行いますが、県や市等の自治体、高専等の教育機関からの要請で行くことが多いですね。
一般財団法人なので来館も地方イベントも、ほとんど無料で提供しています。
先端技術の展示内容については、4,5年に一度大幅なリニューアルを行っています。
TEPIA先端技術館の開館当初は、青少年向けというよりビジネスマン向けで、他の階にある貸しホールや貸し会議室(現在は貸出休止中)で開催される展示会やセミナーにいらっしゃるお客様向けの展示がメインでした。
展示物もプロ向けの技術に関するものが多く並び、詳しい人が見るための展示で、体験を促すものではありませんでした。
理系を目指す若者が少ない、技術者になろうとする人が減少しているという日本の課題を鑑み、「もっと子どもたちにアピールするものに」という想いで体験重視にコンセプト変更し、修学旅行誘致にも力を入れはじめました。
先端技術の展示物はどのように探されていますか
専門業者に調査を依頼しつつ、私達も様々な展示会や技術白書、政府の発表等にアンテナをはり、「次のテーマはこういうものを入れよう」と財団内で決定しています。
今は「暮らしと経済、社会、地球・生命」と今年3月から新たに加わった「人と自然」がメインテーマの展示をしています。(注:2024年取材時現在)
身近な暮らしに関する課題から、地球規模まで大きくなっていくイメージでの展示です。
前回の大幅リニューアルの際は2020年コロナ禍のタイミングでしたので、ニューノーマル社会に関するコーナーを設けました。
感染症に対する新しい技術、新しい生活様式の中で使える技術を1つのコーナーにまとめ、その中でASKA3Dも採用させていただいておりました。
ASKA3Dによる空中ディスプレイは非接触だけでなくエンターテイメント性もありますし、セキュリティ等いろいろな活用が考えられますので、現在は、「暮らしと経済」のコーナーにて継続して展示させていただいています。他の展示物の操作パネルに組み込むなどこれからの活用も期待しています。
ASKA3Dの展示用途を教えてください
ASKA3Dの空中ディスプレイによる「医療現場での活用」「家庭内のスイッチング」「銀行端末」「車内での音楽操作」「工場現場」という5つのシチュエーションでデモを体験出来るような展示をしています。
また他にもTEPIAの各種事業の技術的なサポートや助言をお願いしている各分野の専門家である「TEPIAアドバイザー」の紹介パネルにASKA3Dを組み込み、実際に空中ディスプレイで紹介パネルを操作していただける体験を提供しています。
展示方法としては各筐体にモニターを設置し、「実際にこういう画面が空中で見えている」というのが分かるようにしています。
手元のASKA3D空中ディスプレイでは、モニターと同じ画面を操作したり、モニターの画面を切り替えるためのボタンを表示しています。
小さいお子様には高さ調節のための台を用意したり、実際にプレートを傾けて身長に合わせて空中ディスプレイの操作を体験いただきます。お子様から大人の方まで、触って感動していただける展示を心がけています。
来館者の反応はいかがですか?
ASKA3Dの空中ディスプレイは展示の中でも非常に人気が高く興味を持っていただき、いつも人が集まっています。
お子様よりも大人の方の食いつきが良い印象もあります。今まで映画の中でしか見たことのなかった革新的な技術が眼の前にある、というインパクトが好評なようです。お子様はびっくりする感覚と、操作性の楽しさで見ていただいています。
「SFでしか見たこと無い!」というお声をよくお聞きしますが、「実際に導入している事例も沢山あるんですよ」と説明すると、自分も使いたいというお声をいただいたりします。
企業労働組合の団体さんでは、「うちでも使ってますよ」という反応もありました。地方の観光系の団体さんからは「うちでも使いたい!」というお声もありました。どうやらその後本当に導入されたようですね(笑)
ASKA3Dを初めて知ったという方だけでなく、知っていて初めてTEPIAで体験する、という来館者もいらっしゃいます。
そういう方はご入館されて、一目散にASKA3Dプレートのコーナーに向かわれます。修学旅行で来館された中学生からお手紙をいただくことも多いのですが、その中で「一番印象に残ったのはASKA3D」というお声はとても多いです。
学校の授業でも光の反射等を学んでいるので、小学生でもパネルを読んで「これってこういうことですか?」と質問されることもあります。
面白そうと興味をひき、触って、理解して、というセットで印象に残っているのかもしれませんね。
展示全体の説明を終え自由見学の時間になると、皆さんまずはASKA3Dに殺到します。「次の子に変わってください」と先生が注意するくらいです(笑)
ASKA3Dご導入のきっかけは
コロナ禍のニューノーマル社会というテーマが決まっていましたので、そこで展示できる技術から”非接触”というキーワードでたどり着いたのがASKA3Dの空中ディスプレイでした。課題解決だけではなく体験して楽しんでいただける技術を探していたので、ASKA3Dは最適でした。
実は過去にも「映像が浮かび上がる」 という空中ディスプレイを展示したことがありました。
浮かべた画像にふれると実際に反応して少し動くギミックではあったのですが、空中映像も小さく、今回のような操作の出来る大きめな展示にはASKA3Dがピッタリでした。
導入の際や展示中、工夫が必要だった点や課題はありますか
お子様が殺到すると前のめりに筐体を掴んでしまい、センサーがずれてしまうことがありました。
ずれてしまったセンサーを物理的に元に戻すだけですので、課題というほどの事ではありません。
体験中のお子様以外からは、何もない空中で手を動かして操作しているのが不思議に見えるので、殺到したくなるのかもしれませんね。
他には特に問題はありません。
TEPIA先端技術館の次の展示の目玉になりそうな未来の技術について教えてください
それは今絶賛探しています(笑)
分野としてはやはりAI関連の技術が候補となりますが、世間で言われるような「AIは全て素晴らしい」という論調ではなく、AIの持つ光と影の両側面にフォーカスしたいと考えています。私達はサービスを販売している立場ではないので、負の面も含めてお伝えできるのも特徴です。若い世代にきちんと伝え、自ら考えていただくきっかけになる展示が使命だと思います。
AIといってもそれ単体ではなく、防災など色々な課題にAIが絡んでくる。そういう展示にしていきたいですね。
AIに関わらずこれからの社会にどういう課題が発生するのか、どういう未来になっていくのかを想像できる人材を増やす、そんなきっかけになる展示を心がけていきます。
革新的な技術の体験を通じて楽しさと、日本社会の課題を認識し考えるきっかけを提供するTEPIA先端技術館。
ASKA3Dの体験にぜひご来館ください!どなたでも見学可能です(事前予約制)。
- 館名:
- TEPIA先端技術館
- URL:
- https://www.tepia.jp/exhibition
導入製品
⚪︎ガラス製ASKA3Dプレート